三島鞄製作所|島根県大田市の自宅工房にてものづくりしています。


Leather Craftsman Interview vol.0 Prologue


三島鞄製作所は、世界遺産石見銀山のある島根県大田市の海沿いの町にある小さな工房です。
革やナチュラルテイストな素材を使って鞄や生活雑貨の製作をしています。

工房 三島鞄製作所

夢プロジェクト

  革との出会いや職人になったきっかけ

 私は教えることが好きで、教師になりたいなと思っていました。大学では、教職課程を履修し、その中で科学教育を選択して、卒業後は中学校・科学館の講師を数年していました。
 科学館の講師をしていたときに、素晴らしいカービング(革の彫刻)が施されたレザークラフトの作品を見て、「こんなものが作れるのか!」と驚き、自分もやってみたいと思い、その作品の作者のレザークラフト教室に通うようになりました。

  レザーカービングの魅力

 レザーカービングとは、革の可塑性(濡らすと柔らかくなり、乾くと硬くなる性質)を利用し、刃物や刻印を使って革に模様を刻む技法です。植物文様や動物、風景まで幅広い作風があります。
 私は、このカービングにはまってしまいました。革に命を吹き込んでいるような作業。黙々と無心に作業できます。
 若い人でも、年を取った人でも、男性でも女性でも全ての人に、いろいろなオリジナルデザインを工夫することができます。
 私はわがままに自分の好きなデザインをカービングすることにはまったのです。レザークラフト・カービングの技術があれば、欲しいデザインのオリジナル革製品を自分で作ることができるのです。それは非常に愛着のある長く愛し使う革製品となるでしょう。革製品は使えば使うほど味が出るので、長く使い続けることで、自分の人生とともに歩んでいるような作品にすることもできます。
 さらに、カービングができる牛タンニンなめし革は、染色という楽しみもありますし、完成したあとにも経年変化で楽しむことができます。だから、私は、タンニンなめし革の作品作りを続けています。

レザーカービングの魅力 レザーカービングの魅力 レザーカービングの魅力 レザーカービングの魅力
 タンニンなめし革には、カービング・染色・経年変化の魅力があります。

  手縫いの魅力

手縫いのレザートートバッグ  革を縫い合わせるときは、手縫いとミシン縫いがありますが。手縫いの場合、革はかたいので先に穴をあけておいてから、糸の両端に針を付けて、2本の針を「交差」させながら縫います。交差させることによって、糸がほつれにくく、両端均一に締めることができます。手縫いのメリットは…ミシンと違い、いろいろな場所が縫えて、厚みの違いにも細かく対応しやすいことです。
 ものづくりにおいては、手縫いよりもミシン縫いの方が良い場合もありますが、私は、普通の人(私)が、空き時間などにでも気軽にできる手縫いを選びました。誰にでも気軽に始められて、自分の一点ものを作ることができます。簡単な修理もすることができます。

  浜辺の職人工房・夢プロジェクトについて

夢プロジェクト  私は、レザークラフトは自分の趣味で、生業にしようとは夢にも思っていませんでしたが、創作活動を続けている中で、素晴らしい作家の方々・それから素晴らしい作品と出会いがあり、熱い思いや真摯な姿勢を見て、ハンドメイド作家がより良い品を創るために何かできることはないかと考えるようになりました。
 それは、教師の仕事と似ています。教師の仕事とは、「子どもたちの成長を支えたり、『成長しよう』という気持ちにさせることだと考えていますが、まさにその気持ちでした。
 教育とは、心と心のコミュニケーションであり、その中で実は自分もたくさんのことを教わり、ひとりひとり違う児童・生徒たちと過ごす中で、成長していく自分をみつけることができます。勉強したり考えたりすることが好きな私は、常に考え続けたり、疑問を持ち続けて哲学的になれたりすることが楽しく、出会いの積み重ねの中でいつも感動があり、おもしろいおもしろいと、辞められないのです。
 2008年9月「浜辺の職人工房WEBサイト」を立ち上げました。 「手作りの品のイメージアップを行い、チャレンジ精神・向上心のある山陰の職人がより良い品を作ることができる環境作りを目指す」という理念のもと、手作り・工芸文化を新しい形で発信している山陰の職人を紹介する活動などを手探りで始めました。
 当時、長女がまだ0歳児でした。浜辺の職人工房の活動にかかる費用や生活費の捻出のために、講師の仕事を続けながらの家事・育児の両立し、休日に作家への取材活動など、非常にハードでしたが、やりがいのあることで、人と人とのつながりをもつことが楽しく苦労は感じませんでした。さらに、実際に作品を手にとってみて良さを知ってもらえる場所を作ろうと、実店舗を土日オープンすることにしました、それで完全に休む間が無くなりました。そんな時に、子どもが病気になることが重なりました。相応の家賃を払うお店に店休日が続く日々からのプレッシャー。頑張らなきゃ!とか、あれもこれもしなくては! という気持ちにとらわれ、その負担をかけたさきは私の家族。私にとっていちばん大切なものは何か…を考え、2009年10月に活動を終了しました。
 そして、2009年10月より、craft avanti 【三島鞄製作所】として、自宅で革工房を開きました。今度のポリシーは、いちばん大切なものを明確にして、その時その時に必要なことをやっていこう!「楽しく」「無理なく」「リスクなく」…「続けられる」ことを!…でした。歯をくいしばって、寝る間も惜しんで、頑張って…では、家族が不幸になるので続かないのです。
 レザークラフトは私の好きなことなので、続けたいと思っています。また、レザークラフトをやってみたいという人にはどんどん教えていきたいと思っていますし、好きなことを仕事にしたいという人を応援したいと思っています。それに、あくまで、自分のライフワークは「教えること」「支援すること」だからです。

  今後の展望について

●「働きたくても働けない」を解決したい。

 日本では、出産を機に仕事を辞めた女性の割合はずっと半数を超えています。
 家事や育児に専念するため、自発的に辞める女性もいますが、「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めた」女性も多いです。
 私自身は、講師という臨時採用の仕事だったことで、結婚し出産を控えて仕事を退職せざるを得ませんでした。出産後しばらくして、娘を保育園に預けて講師の仕事に再び就けましたが、第二子出産を控えて再び退職しました。同時に長女は幼稚園に転園しました。再就職をするために、希望の保育園に入れることも困難で、そのまま幼稚園在園のまま仕事を探すにも、働く時間や期間が限られ、出産前のキャリアと全く関係のない職種でアルバイト勤務やパート勤務を選ぶしかできませんでした。

 育児と仕事の両立は、とても大変です。まずネックとなるのが「長時間会社で働くことができない」という点です。
 「仕事を続けたかったけど両立が難しい」というのは、勤務時間・曜日が合わなかったり、子どもが病気がちであったり、育児が想像していた以上に大変だったりなどの理由が主です。そこには、そもそも、日本の働き方は長時間労働が前提であるということなどがあるのだと思います。
 育児以外にも、様々な事情で、通常の形態での仕事が難しい人たちもいます。
 通勤もなく、働く場所や時間も自由、今のまま・自分は自分らしく、楽しみながら、自分の好きなことで、もし働くことができたなら…。当然ながらガツガツ稼ぐのは難しいかもしれませんが、自宅に居ながら、空き時間を活用して、自分の得意なことで起業・副業を始めることができたら、どんなに良いでしょう。
 家庭と仕事を両立させることができたなら…。人々が関わりあうことにより、視野が広がり、イキイキとし、家庭に笑顔をもたらすでしょう。自分の中に眠っていた「やりたいこと」を思い出したり、埋もれてしまった自信を取り戻したりできるかもしれません。

 「どうせムリ」?
 「あり得ない」?

 それを、実現させたいのが、新たな「三島鞄製作所の夢プロジェクト」でした。
 私自身は、子どもと一緒にいる時間も大切にしたい。…そのために、フレックスタイムな働き方や在宅での働き方を推進し、「働きたくても働けない」を解決したいと思っています。
 私は、非常に高い技術や知識を持っているわけではありませんが、希望の方に楽しくハンドメイド・レザークラフトを続けられるように支援していくことはできます。
 そして、ハンドメイド製品の企画・製作と販売を事業化する支援について考えています。

●楽して、という意味ではなく、楽しく。無理せずできることをやる!

 ・自宅にいながら収入を得る
 ・時間に縛られない
 ・どこにいても仕事をすることが出来る
 ・努力したことがきちんと反映される

 こんな夢みたいなことを実現したいと思っています。
 他の周りの人にもこれを伝染させたいのです。

シンプルなものづくりをしながら。スローライフを楽しみながら。
シンプルなものづくり スローライフ

委託販売やイベント出店、ワークショップを楽しみながら。
シンプルなものづくり スローライフ レザーワークショップ

時に、町おこしに関わりながら。
猪革 町の活性化

また、社会福祉活動をしながら。
社会福祉

●「どうせムリ」をなくしたい

 いつか、好きな事で起業してみたい、そう考えている方は多いと思います。
 ただ、「どうせムリ」と思っている人も多いです。
 「なにもしないことが、最大のリスク」という言葉があります。
 チャレンジしなければ、結果の出しようがありません。
 チャレンジすれば、もちろんリスクも抱えますが、チャレンジしなくても、リスクがなくなるワケではありません。
 私たちはせっかく生まれてきて、一度きりの人生を歩んでいます。
 「なにもしない」ということは、「チャンスを放棄している」のと同じこと…。
 「失敗」を恐れて、本当に怖い、「失敗」を恐れて、「何もしない」ことが、実は最大のリスクなのです。
 「失敗」は単なる過程、成功への途中で、プロセスに過ぎない、すべての体験に意味があるのです。
 もう迷っている場合ではなく。迷ったならば「勇気のいる方」を選択すべし、とはそういうことでしょう。

  お問い合わせ・工房情報

みしかば【三島鞄製作所】 width= 工房【三島鞄製作所】
http://mishimakaban.com/

当工房はオンライン(作品紹介)のみです。
また現在、作品販売等は行っておりません。
お問い合わせは下記メールアドレス宛までお願いします。

メール kozakaya@woody.ocn.ne.jp


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